ソーシャルアクションラボ

2023.11.24

WORK DESIGN AWARD 「無理をしない」働き方のぼる塾がグランプリ

「WORK DESIGN AWARD 2023」の「PERSON」部門のグランプリを受賞したぼる塾
「WORK DESIGN AWARD 2023」の「PERSON」部門のグランプリを受賞したぼる塾

 「WORK DESIGN AWARD」は、柔軟な勤務を認める新制度の導入や、多様性に配慮した福利厚生の創設、「働く」をテーマにした映像作品・書籍の制作など、「働きやすさ」を前に進める取り組みを幅広く募集し、「ACTION」「PRODUCT」「PERSON」の3部門で審査員が部門賞を選出。「ACTION」と「PRODUCT」部門では、1万人のビジネスパーソンによる投票でグランプリを決定した。

 「ACTION」部門のグランプリは、愛知県春日井市のカフェ「ワンぽてぃと」が受賞。ひきこもりや不登校の子供たちが、社会復帰を目指すための第一歩として、15分から働くことができ、時給も発生する「超フレックスタイム制」で、状況に合わせて働きながら、人との交流や社会とのつながりを持てるようにしている。小栗加奈代表は「娘が不登校で、進路を考えなければいけないときに、この子を受け入れてくれる社会があるのかと思い、立ち上げました。私の店だけではなく、社会が変わっていかなければいけない問題なので、受賞を機に企業や個人でも受け入れてもらえることを望んでいます」と意義を語った。

(左から)芹澤雅人・SmartHRCEO、ACTION」部門のグランプリの「ワンぽてぃと」小栗加奈代表、「PRODUCT」部門グランプリの「VALT JAPAN」の小野貴也・代表取締役
(左から)芹澤雅人・SmartHRCEO、「ACTION」部門のグランプリの「ワンぽてぃと」小栗加奈代表、「PRODUCT」部門グランプリの「VALT JAPAN」の小野貴也・代表取締役

 「PRODUCT」部門では、就労が難しい障害者や難病患者のため、民間企業から仕事を請け負って、全国の就労継続支援事業所に分配するプラットフォーム「NEXT HERO」を展開するVALT JAPANがグランプリを受賞した。小野貴也・代表取締役は「精神疾患の医薬品を扱っていたが、仕事でうまくいかないという医薬品では解決できない問題があることに衝撃を受けて、起業しました。約10年がたち、就労困難な方々が仕事を通じて大活躍できる社会を作っていきたい」と話した。

 「PERSON」部門のグランプリを受賞した「ぼる塾」は、きりやはるかさん、あんりさん、田辺智加さん、酒寄希望さんの4人組お笑いユニットで、酒寄さんが育休を取ってから、時間が不規則なテレビ収録には酒寄さん以外の3人で、舞台には4人で出演。旅行や美容などそれぞれの希望に合わせた「無理をしない」生活のため、柔軟に働き方やチーム編成を対話しながら作り上げている。3人がビデオメッセージで「せっかくグランプリに選ばれましたから、これからも柔軟に働いていきたいと思います」と喜びを語った。

 最後に、主催のSmartHR、芹澤雅人CEOは「審査員として106件全ての応募書類に目を通し、全ての取り組みが、誰もがその人らしく働ける環境を整え、活躍する人にスポットライトを当てていて、経営者として感銘を受けました。働きやすさを追求する取り組みがより広がって、日本の働き方をアップデートしていくことを願っています」と講評した。