2023.11.28
西部ガスが森林由来のCO2吸収量購入 山国川流域森林組合と契約
西部ガス(福岡市)は、二酸化炭素(CO2)の排出削減・吸収量の取引制度を使い、森林整備で生まれたCO2吸収量「クレジット」計112トンを山国川流域森林組合(大分県中津市)から購入した。同社が森林由来のクレジットを購入するのは初めてで、今後、都市ガスの供給先企業などへの販売を検討する。
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」実現に向け、国はCO2排出削減・吸収量を取引する「J―クレジット」制度を進めている。買い取ったクレジットは、自社のCO2排出量と相殺できる。森林はCO2を吸収するため、森林を整備する団体は、間伐や植林の面積に応じて国が認定したCO2吸収量をクレジットとして販売できる。
今回の取引は、農林中央金庫が仲介した。CO2吸収量112トンは、同森林組合が2021年度から2年間かけて間伐や植林に取り組んだ分が認定された。購入額は非公表。
都市ガスを利用する企業はCO2排出量の削減が課題となっており、西部ガスはクレジットとガスのセット販売などを検討する。森林組合は、収益を森林整備のための人材確保や、豪雨災害による被災場所の復旧に充てる。【久野洋】
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