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2023.11.29

21世紀末までに洪水リスク抱える人口5倍に 国連が予測

 国連開発計画(UNDP)は、現在のペースで温暖化と海面上昇が進んだ場合、今世紀末までに世界各地の沿岸部で洪水リスクにさらされる人は5倍以上に増加するとの予測を11月下旬に発表した。ラテンアメリカの沿岸部やカリブ海、太平洋の島しょ国などは影響を最も受ける地域で、永続的な浸水で土地や重要インフラが失われるとした。

 UNDPによると、気候変動に伴う海面上昇の影響で、各地の沿岸部で洪水が起きた範囲は拡大している。現在、世界では20年に1度洪水に見舞われるリスクがある地域に1400万人以上が暮らす。最新のシミュレーションによる試算では、現在のペースで温室効果ガスの排出が続いた場合、同様のリスクがある地域に暮らす人は2100年までに7300万人に膨らむとした。海面上昇は水温が上がることによる海水の膨張や、陸地の氷が解けるために起きる。

 また、バハマやモルディブ、ツバル、セーシェルなどの島しょ国では、今世紀末までに5%以上の土地が水没する可能性があるとした。ラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアの海岸沿いの低地帯では恒久的に浸水が続き、これまでの数十年におよぶ開発の成果が後退する可能性があると警告した。

 さらに温室効果ガスの排出が現在より増える最悪のシナリオの場合、ブラジルのリオデジャネイロ、オーストラリアのシドニー、インドのコルカタなどの大都市では、防災対策を取らなければ今世紀末までに5%以上の土地が浸水する恐れがあるという。UNDPは「排出量の削減は、リスクを減らすだけでなく、海面上昇に積極的に対応し、備えるための時間を確保することにもなる」と指摘した。【ニューヨーク八田浩輔】

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