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2023.11.30

COP28開幕 地球温暖化による「損失と被害」基金運用開始を合意

 国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が11月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕した。初日の全体会合で、地球温暖化の影響で生じた「損失と被害(ロス&ダメージ)」を支援する基金の運用開始について合意した。

 洪水や熱波、海面上昇といった温暖化によって生じる「損失と被害」を巡っては、2022年のCOP27で支援のための基金設立という「歴史的」合意に至った。その後、国連の専門委員会で基金の具体化に向けて議論。COP28では委員会がまとめた勧告案を採択した。

 勧告に基づき、基金は暫定的に世界銀行が運営する。基金の規模は決まっておらず、先進国の拠出の義務化は見送ったが、先進国だけでなく新興国にも資金の自発的な拠出を促す。30日の全体会合で議長国UAEとドイツはそれぞれ1億ドルの拠出を発表。日本も1000万ドルの拠出、米英も支援の方針を表明した。

 COP28では12月12日までの会期中、世界の平均気温を「産業革命前から1・5度上昇に抑える」という目標実現に向け、世界全体の対策の進捗(しんちょく)を評価する。「グローバルストックテーク」と呼ばれる仕組みで、この結果を踏まえ、化石燃料の廃止・削減や、各国に排出削減目標の引き上げを促すことに合意できるかが焦点となる。【岡田英、ニューヨーク八田浩輔】

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