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2023.12.08

世界の若者、半数が気候変動の定義を正しく理解せず ユニセフ調査

 国連児童基金(ユニセフ)などは7日、日本を含む世界の若者の85%が気候変動について認識している一方、半数が気候変動の定義を正しく理解していないという調査結果を発表した。ユニセフは、将来の気候変動対策を担う若者世代への気候教育の必要性を訴えている。

 調査結果は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせて公表された。

 ユニセフなどは2022年4月~23年2月、気候変動への意識や理解について、日本など55カ国の人を対象に電話や対面で調査を実施。約8万人が応じた。

 このうち、国連が「若者」と定めている15~24歳の調査結果を見ると、平均85%が気候変動について「聞いたことがある」と回答。一定の認識が広がっていることがうかがえた。

 しかし、気候変動の定義について複数の選択肢を示して聞いたところ、条約が定める「人間活動による異常気象の増加や世界の平均気温の上昇」を選んだのは50%だった。残りは大多数が「毎年起こる季節的な天候変化」を選択するなど、誤った認識を持っていた。

 一方、バングラデシュといった低所得国などでは、気候変動の被害を受けやすい。こうした国の若者の中で、気候変動に関する知識を持つ人の割合は、バングラデシュ37%、シエラレオネ26%、パキスタン19%と低かった。

 ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は「多くの若者に情報を提供し、(気候変動に関する運動に)参加してもらうことで、世界が必要としている集団的な緊迫感を一気に高めることができると確信している」とコメントした。【鳥井真平】

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