2023.12.08
「やっているふりはやめて」世界の若者、各地で気候変動対策デモ
週末の8日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせ、各地の若者らが化石燃料の廃止などを訴えるデモをした。
ドバイでは、気候変動の危機に直面する途上国を中心に約100人が集まった。昨年、大規模な洪水に遭ったパキスタン出身のジャマール・バルーチさんは「私の住む地域では先住民族が化石燃料採掘に抵抗してきたが、産業界や当局によって抑圧されてきた。化石燃料からの脱却に向けて一丸となって立ち上がろう」と呼びかけた。
東京・JR新宿駅前では、若者グループ「フライデーズ・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)ジャパン」がスタンディングデモをした。化石燃料の廃止時期を表明していない日本政府の対応について、「やっているふりはもうやめて」と訴えた。
グループは、アンモニアを石炭に混ぜて燃料にする「混焼」を日本が進めていることに「温室効果ガスの早急な削減に資さない」と批判。世界の平均気温を産業革命前から1・5度上昇に抑える目標に「政府は真剣に取り組んでいるとは言えない」と抗議した。
参加した大学4年の田原美優さん(22)は「日本は国際交渉の場で世界の足を引っ張る交渉を行っている。気候危機の影響を強く受ける人の声を聞いて、方針を根本から見直してほしい」と訴えた。【山口智、ドバイ岡田英】
関連記事