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2023.12.09

日本、衛星観測データで支援強化 途上国の温室効果ガス算定

 日本は人工衛星による温室効果ガス観測データを活用し、途上国の排出量算定の精度向上や排出削減などに関する支援を強化する。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の閣僚級会合で9日、伊藤信太郎環境相が衛星の活用を含む「投資促進支援パッケージ」を公表した。

 日本政府は2009年打ち上げの温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」、18年打ち上げの「いぶき2号」の観測データを世界各国に無償で提供している。

 各国が国連に提出する国全体の排出量は、化石燃料の消費量などの統計に基づいて算出され、地上での観測データなどを活用してその精度を検証することになっている。途上国などでは地上の観測地点が不足している地域も多く、いぶきなどの衛星観測データで検証することが有効とされる。日本政府は、30年までにアジアを中心に6カ国でいぶきなどのデータを活用してもらうことを目指す。

 日本の環境省によると、モンゴルでは既に、いぶきの観測による検証を実施。モンゴル政府が統計に基づいて算出した二酸化炭素(CO2)排出量といぶきのデータがほぼ一致することが分かったという。

 また伊藤氏は、全体会合で気象観測などから災害リスクを予測し、避難や被害軽減につなげる「早期警戒システム」について、アジアを中心に普及支援する方針を表明した。【ドバイ岡田英】

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