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2023.12.10

COP29、アゼルバイジャンで開催へ

 2024年の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は、アゼルバイジャンで開催される見通しになった。関係者が取材に明らかにした。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中のCOP28で参加国による正式な承認手続きを経て、最終日の12日に発表される予定。

 COPは国連が分類する五つの地域グループの持ち回りで開催され、24年は旧ソ連諸国を含む23カ国が属する「東欧」グループの順番だった。複数の国が開催に名乗りを上げ、アゼルバイジャン、アルメニア、ブルガリアの3カ国に絞り込まれていた。

 当初はブルガリアでの開催が有望視されたが、ロシアがウクライナ支援を強化する欧州連合(EU)域内での開催を拒んだ。アゼルバイジャンとアルメニアは、係争地ナゴルノカラバフをめぐる歴史的な対立を背景に開催地の選定に互いに反目し、東欧グループ内での協議が行き詰まっていた。

 突破口を開いたのはアゼルバイジャンとアルメニア両政府が今月7日に発表したナゴルノカラバフの和平に向けた共同声明だった。声明は将来の和平条約の締結を視野に関係正常化を目指すとする内容で、信頼醸成の一環としてアルメニアがCOP29の招致を辞退し、アゼルバイジャンでの開催を支持すると表明。これを受けてブルガリアも立候補を取り下げ、ロシアを含めてグループ内でアゼルバイジャン支持で合意に至った。

 COP28の全加盟国の形式的な承認手続きを経て、正式に決定する。

 アゼルバイジャンは石油・ガスの産出国で、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、脱ロシア依存を進める欧州向けのガス輸出量を増やしている。COPでは化石燃料の将来の使用が大きな争点になるが、石油・ガスの資源国が連続して開催地となる。【ドバイ八田浩輔】

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