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2023.12.19

公立高校入試「生理で追試OK」 文科省が19日、全国に通知

 公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった生徒への対応について、文部科学省は19日、「追試は可能」とする通知を全国の都道府県などに出した。

 病気や事故などで入試を受けられなくなった受験生に別途実施される追試の対象に、生理による体調不良が加わる。現在の中学3年生が受験する2024年入試から適用される。

 通知は追試を受けられる受験生について、「本人に帰責されない身体・健康上の理由により、やむを得ず用意された試験日程で受験できない生徒」と記載。理由の例示として、新型コロナウイルスなどの感染症に加え、「月経随伴症状」などの体調不良を明記した。強い下腹部痛や腰痛、頭痛や吐き気などの症状を指す。

 生理による体調不良は個人差があるが、どの程度で追試を認めるべきかなど統一した基準は示さなかった。

 毎日新聞は23年9月に全47都道府県にアンケートを実施。受験日と生理が重なった生徒への対応を尋ねたところ、「追試の対象になる」と回答したのは、15道府県にとどまった。

 11月16日の参院文教科学委員会で、国民民主党の伊藤孝恵氏が毎日新聞の調査結果を取り上げ、地域の対応差の是正に向けた通知を要求。文科省幹部が年内に通知を出す考えを明らかにしていた。【田中裕之】

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