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2023.12.29

つくば市、茨城初のCO2実質ゼロへ 「脱炭素先行地域」に選出

 茨城県つくば市が、2030年度までに二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロを目指す環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれた。つくば駅を中心とした半径約500メートルが対象で、商業施設や住宅などで電力消費に伴うCO2排出を削減する。県内の選定は初めて。【信田真由美】

 脱炭素先行地域は、「50年までに排出実質ゼロ」とする国の目標に先んじる地域で、再生可能エネルギーの導入などに伴う設備の整備費用を5年間で最大50億円補助する国の交付金を受けられる。これまでにつくば市を含めて36道府県の計74件が選定されている。

 つくば市の計画では、地域内の商業施設や公共施設の屋根に太陽光パネルを設置。大型駐車場にも、太陽光パネルが付き雨よけにもなる屋根を整備する。既存の電気や上下水道などが通る地下トンネルに新たな電線を引き、発電した電気は地産地消する。市は22年からごみ焼却施設で発電した電力の一部を公共施設で利用しているが、これまでは処分していた剪定(せんてい)枝や刈った芝も廃棄物発電に活用する。また、市内の医薬品工場で出た魚油を市が買い取ってバイオマス発電に利用する。

 計画を通じて、地域内の電力需要の3分の2を減らすか再エネで賄うかし、残り3分の1は市内の他地域で発電した再エネ由来の電気を購入する。

 市は12日、計画を共同提案した地元の電力会社「ミライデザインパワー」などの5社と連携協定を締結。記者会見した五十嵐立青市長は30年度までの脱炭素化について「ハードルは非常に高いが、できないことはないし、やらなくてはいけない」と述べた。設備投資に補助金を使えない他地域への拡張については「大きな課題」との認識を示した上で、「事業者が集中するエリアに一定程度、横展開することは可能だと思う。市民共通の課題意識にするのも鍵」と話した。

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