2024.01.06
約15kmにわたり地面が隆起、鮮明に 専門家が見た能登半島の被害
海中にあった消波ブロックが砂上にさらけ出される――。石川県能登地方で最大震度7を観測した地震で6日、毎日新聞社機が沿岸の被害を上空から撮影した。輪島市では、約15キロにわたる地面の隆起が鮮明に確認でき、同乗した名古屋大の山岡耕春教授(地震学)は「予想以上で驚くほどだ」と語った。
同市南西部の鹿磯漁港周辺。砂浜に黒い線のように並ぶのは、本来は海中にあるはずの消波ブロックだ。鹿磯は人工衛星「だいち2号」の観測で最大4メートルの隆起が起きたとされた地域だが、それを裏付けるような光景だった。隆起が鮮明だったのは、鹿磯から大沢漁港にかけての約15キロ。山岡教授は「2007年の能登半島沖で起きた地震(マグニチュード6・9)の隆起は上空から見てもはっきりしなかったが、今回は痕跡が分かる」と指摘した。
また、国土地理院の解析で海岸線が海側に200メートル後退した、中間地点にある皆月湾でも消波ブロックが砂上に露出していた。
珠洲市では、津波の被害を受けた鵜飼漁港にがれきが散乱。田畑は水につかり、港に乗りあげた船が見られた。【奥山はるな】
関連記事