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2024.01.07

能登半島地震 輪島に土砂ダム7カ所、決壊に注意 京大防災研

 能登半島地震による土砂崩れの影響で川の上流部にできた土砂ダムが、石川県輪島市内に少なくとも7カ所あったとの分析結果を、京都大防災研究所の松四雄騎(まつし・ゆうき)教授(水文地形学)がまとめた。今後、雨水や雪解け水が流れ込んで決壊したら下流域が土石流に襲われる恐れがあり、警戒する必要があるという。

 松四教授は、国土地理院が地震後に撮影した航空写真を使い、土砂崩れが多く起きていた輪島市の町野川支流域を分析した。急に決壊するほど大規模なものは今のところないという。ただ、既に土砂ダムが決壊したとみられる土石流を確認した。

 能登半島の火山性の岩石が多い地域ではもろい場所があり、土砂崩れが起きやすくなっている。松四教授は「地震後は上流に不安定な土砂がたまっている可能性がある。川の下流に避難所がある場合は避難先を変えたり、自宅の被災者は2階で就寝したりするなど、2次災害のリスクに注意してほしい」と話した。

 土砂ダムを巡っては、2004年の新潟県中越地震でも発生し、水を抜く対策工事をした。16年の熊本地震では、土砂ダムが決壊して土石流が発生した。【垂水友里香】

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