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2024.01.09

サンドウィッチマン寄贈のトイレトレーラー、輪島の避難所に到着

 能登半島地震で壊滅的な被害を受けた石川県輪島市の避難所に、宮城県気仙沼市から「トイレトレーラー」が到着した。お笑いコンビ「サンドウィッチマン」が同市に寄贈した車両で、実際の被災地で使われるのは初めて。断水中のトイレ確保は、被災地共通の課題。気仙沼市は「東日本大震災では全国から助けていただいた。その恩を少しでも返したい」としている。

 トレーラーが着いたのは、約300人が避難している輪島市立鳳至(ふげし)小学校。避難所の運営担当者によると、仮設トイレを5基設置しているが、段差があって高齢者らには使いづらい。臭いなど衛生面でも懸念があるという。

 サンドウィッチマンの富澤たけしさん、伊達みきおさんは仙台市出身。東日本大震災が起きた2011年3月11日は、気仙沼でロケ中だった。こうした縁から22年12月、トレーラーを寄贈した。洋式の水洗トイレ3室と給排水タンクを備え、電気設備は太陽光発電とバッテリーから電力を供給する。1室は、車椅子利用者をリフトで昇降できるバリアフリー仕様だ。

 気仙沼市によると、1日の地震を受け、トレーラー派遣を検討。6日午後、鳳至小に到着した。市観光課の村上充課長補佐は「トイレに困っていると聞き、活用してほしいと思った。富澤さん、伊達さんにも『大変な事態になったから、ぜひ』と言ってもらった」と話した。

 鳳至小で避難生活を送る高齢男性は「サンドウィッチマンに『ありがとう』と言いたい」と感謝していた。【萱原健一】

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