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2024.01.10

2023年の世界平均気温、史上最高 産業革命前から1.48度上昇

 2023年の世界の平均気温は観測史上最も高かった。欧州連合(EU)の「コペルニクス気候変動サービス」が9日発表した。18世紀半ばの産業革命前の平均から1・48度上回り、海面水温も過去最高を更新した。

 気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、各国は産業革命前からの気温上昇幅を1・5度までに抑える共通目標を掲げている。

 発表によると、23年の平均気温は14・98度で、これまで最も高かった16年を0・17度上回った。1991~2020年の平均よりも0・6度高かった。

 コペルニクスは、少なくとも過去10万年で最も温暖な年の一つと推定されると説明。人為的な地球温暖化に加え、昨年7月に発生した太平洋赤道域の水温が上昇するエルニーニョ現象が影響した可能性があるとした。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の主執筆者の一人、英レディング大のエド・ホーキンス教授(気候科学)は「今日の私たちの不作為がもたらす結果が、(この先の)何世代も苦しめるという警告だ」と指摘した。国連のグテレス事務総長はX(ツイッター)で、「指導者たちは先駆的な気候変動対策に取り組み、化石燃料時代を公正かつ迅速な形で終わらせる必要がある」と強調した。

 日本の気象庁も23年の国内の平均気温について、1898年の統計開始から最も高かったと発表している。【ニューヨーク八田浩輔】

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