2024.01.27
プラごみ「すみか」の陸生ヤドカリ、世界の6割の種で確認
世界に生息する陸生ヤドカリの6割の種で、天然の貝殻の代わりにプラスチックごみなどの人工物を背負っていたことが確認された。ポーランドの研究チームが専門誌で報告した。
研究チームは、日本の沖縄県を含む世界各地でソーシャルメディアなどに投稿された人工物を背負ったヤドカリ386個体の画像を分析。85%がプラスチック製のキャップなどで、ガラス瓶や電球を背負った個体もあった。陸生のヤドカリ16種のうち10種が含まれており、「ヤドカリによる人工物の使用が地球規模で起きていることを初めて確認した」としている。
ヤドカリの腹部は軟らかく、敵から身を守るために貝殻を背負う。研究チームはプラスチックなどを「すみか」に選ぶ理由として、ごみに汚染された環境でのカムフラージュや人工物の軽さなどが考えられると考察。ヤドカリの繁殖や進化に与える影響を評価する研究が必要だと訴える。【ニューヨーク八田浩輔】
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