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2024.02.14

「少しでも力に」 神戸と石川で被災の女性、ボランティア団体設立

 能登半島地震の復興支援に一役買おうと、阪神大震災(1995年)でも被災した石川県珠洲市三崎町の女性が、炊き出しや救援物資配布などを手掛けるボランティアグループを設立した。「神戸で被災した際は多くの人に助けられた。今度は自分が協力できることがあれば何でもしたい」と奮闘している。

 竹下あづささん(36)は神戸市中央区出身で、阪神大震災の時は小学1年だった。自宅マンションのガラスが割れたり家具などが倒壊し、兵庫県加古川市の親戚宅に2次避難した。高校卒業後は神戸や京都で公務員やカメラマンなどをして働き、夫と結婚。田舎暮らしに憧れ2020年9月に珠洲に移住した。庭で野菜を育て、鶏を飼って暮らしていた。

 元日の地震で自宅の柱が傾いたりガラスが割れたりしたものの生活はできる状態だ。だが、近隣住民らの家は倒壊し、「今度は自分が、被災者が安心して生活できる環境を作りたい」と思い立った。

 ボランティア団体「NOTOにじのひかり」を設立。メンバーは珠洲と加賀市、金沢市の3拠点で約30人が参加し、避難所の炊き出しや救援物資の配達に取り組む。活動のための寄付金も募る。

 今後は竹下さんの自宅を近隣住民のコミュニティースペースとして開放し、食事の提供のほか風呂やトイレ、洗濯機なども貸し出す。竹下さんは「避難所暮らしで精神的に疲れている人たちのために少しでも力になれれば」と話す。【井村陸】

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