2024.02.15
北海道のサケ漁獲減 要因分析へ対策会議 稚魚回帰率向上図る
北海道の「秋サケ資源対策検討会議」が13日、道庁で開かれた。北海道のサケの来遊数(海の漁獲数と川の捕獲数の合計)は、2022年に7年ぶりに3000万匹を超えたが、23年は2256万匹に減少した。会議では資源量が減った要因を分析し、放流稚魚の回帰率向上を図る。
サケの来遊数は03~07年に5000万匹~6000万匹だったが、その後は減少傾向が続き、近年は2000万匹前後で推移している。道によると、北太平洋全体では高水準を維持し、北側で資源量が増加し、南側で減少する傾向がある。北太平洋の水温が数十年単位で変動する「レジームシフト」の影響などが考えられるという。
道内では20年以降、人工ふ化させた稚魚の回帰率を高めるため、遊泳力を高める研究結果があるドコサヘキサエン酸(DHA)を餌に添加したり、川より生存率が高い潟湖(せきこ)(砂州などで海と隔てられた湖)に放流したりする取り組みが行われている。会議は8月まで4回程度開催し、成果や課題を検証。環境変動に強いふ化放流事業の確立を目指す。【石川勝義】
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