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2024.03.12

災害で汚れた写真、洗浄します ボランティア拠点、神戸に開設へ

 自然災害により泥水で汚損された写真を洗浄する活動に取り組む神戸市のボランティア団体が4月、写真洗浄作業の拠点を同市内に開設する運びとなった。クラウドファンディング(CF)で開設・運営費用を募ったところ、期限の11日までに目標金額(100万円)を上回る約120万円の寄付があった。

 拠点を開設するのは被災支援ボランティア団体「おたがいさまプロジェクト」(同市北区)。2018年設立の任意団体で、19年6月から写真洗浄活動に取り組んでいる。

 大竹修(しゅう)代表(46)によると、泥水で汚損された写真を乾かし、1枚ずつ水とスポンジで洗い、アルコールと布を使って仕上げる。これまで1万枚以上を洗浄し、持ち主に返してきたが、まだ8000枚以上が残る。1月下旬には石川県七尾市で写真洗浄の広報をしており、能登半島地震の被災者たちから写真が届く可能性もある。

 これまでは週1回、場所を借りて洗浄活動をしてきたが、機材や預かった写真を保管して作業をする常設拠点があればスピードが格段に進むため、拠点開設のCFを実施。阪神大震災発生日の1月17日から東日本大震災の起きた3月11日までの期限で、174人から120万2000円が集まった。

 大竹代表は「多くのご支援をいただき、ありがたい気持ちでいっぱい」と感謝し、寄付金を家賃や機材購入費などに充てる考え。3月中に神戸市のマンションの一室を確保し、写真洗浄に加え、災害支援の情報発信や地域交流の機能も備えていきたい方針だ。「4月に開所式を行い、5月から運用したい」と構想している。【来住哲司】

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