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2024.04.11

日米、クリーンエネルギー移行でも協力 首脳会談で合意

 日米は10日の首脳会談で、脱炭素社会の実現に向けたクリーンエネルギーへの移行で協力することでも合意した。両国とも巨額の補助金を投じて再生可能エネルギーや電気自動車(EV)などの次世代産業を開拓する政策を打ち出しており、共同声明では「相乗効果を最大化する新たなハイレベル対話を立ち上げる」と明記した。

 バイデン米政権は2022年8月、企業による再生可能エネルギー関連の設備投資支援やEV購入者への税額控除などに3690億ドル(約56兆円)を投じる気候変動対策に関する法を成立させた。太陽光発電パネルやEV用電池に欠かせないレアアース(希土類)を確保するため、日欧や新興・途上国に呼び掛けてサプライチェーン(供給網)を作る取り組みも進めている。

 日本も23年7月に閣議決定した「GX(グリーントランスフォーメーション)推進戦略」で、脱炭素に向け今後10年で官民合わせ150兆円超の投資が必要だと表明。うち約20兆円の財源を国債発行で調達し再エネの技術開発に取り組む企業支援などに充てる。

 気候変動対策が喫緊の課題となる一方、レアアースなどの重要物資は米国と敵対する中国企業が多くのシェアを握っている。バイデン政権は「中国企業が中国政府からの巨額の補助金により格安製品を大量製造し、国際的なクリーンエネルギー市場をゆがめている」と問題視。日米が協力し経済効率性の高いクリーンエネルギー政策を打ち出していく考えだ。

 共同声明では、米国による液化天然ガス(LNG)輸出について「日本や他の同盟国のエネルギー安全保障を支援する揺るぎないコミットメントを維持する」と明記した。バイデン政権は1月、環境への影響を精査するため自由貿易協定(FTA)を結んでいない国へのLNG輸出認可を一時停止すると発表。資源小国の日本などから不安の声が上がっていたが、安定供給を続けるとの姿勢を明確に示した。

 日米両政府は、半導体など重要物資の安定的な供給網の構築や、世界で急速に利用が拡大する人工知能(AI)分野での協力を深めることでも合意した。対中国を念頭に経済安全保障を強化する考えで一致している。【ワシントン大久保渉】

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