2024.05.22
液状化現象で住宅被害 新潟市、対策会議を設置 能登地震
新潟市は22日、1月の能登半島地震による液状化現象で多数の住宅被害が出たことを受け、地盤工学などの有識者による対策検討会議を設置した。第1回会議が新潟市内で同日開かれ、液状化対策を実施する地域や工法を検討し、今年度中に取りまとめる方針を確認した。委員からは情報収集などで迅速な対応を市側に求める声が上がった。【神崎修一】
中原八一市長は会議冒頭、「大きな地震は1964年の新潟地震以来の60年ぶりだった。液状化が復旧に向けた大きな課題。年度内には対策の方向性を取りまとめたい。この会議が『復興の道しるべ』になる」とあいさつした。
最初に市側から能登半島地震の被災状況が報告された。新潟市内では砂丘地の裾野部分やかつて信濃川が流れていた「旧河川」地域で、水分を含んだ砂質の地盤に強い揺れが加わったことで起きる液状化が発生。西区を中心に住宅97棟が全壊、約3000棟が半壊した。大きな地震が起きれば再び液状化する恐れがあるため、対策は急務となっている。
その上で、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震後に実施された液状化被害の再発防止対策を示した。千葉県浦安市では地中にコンクリート壁を設置して地盤を強化する工法を採用。熊本市では排水パイプを地下に設けて水位を下げる工法が用いられたと紹介された。出席者からは「個人負担を考慮すべきだ」「スピード感を持って情報収集してほしい」といった意見が出された。
座長を務めた長岡技術科学大の大塚悟教授は終了後、「液状化は地質や地形を踏まえた対策が必要。他地域の事例が新潟でも機能するかを明らかにすることが、この会議の役目になる。住民との相互理解も必要で、その道のりが早く始められるように、会議として協力していきたい」と話した。
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