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2024.09.24

石川・輪島市、数日以内に400人集団避難へ 宿泊施設を検討

 石川県の能登半島北部などを襲った豪雨で、輪島市は24日、孤立集落や仮設住宅の約400人の集団避難について、数日以内に実施していきたい考えを明らかにした。ただ、市は宿泊施設への受け入れを検討しているが、受け入れ先は決まっていない。

 県によると、市内では24日も8地区34カ所で少なくとも289人が孤立している。市はこの日、七浦(しつら)地区で集団避難に関する住民説明会を開いた。

 参加者によると、市側は孤立した住民を安全な場所まで輸送し、宿泊施設が受け入れるまで、市内の小学校に避難させる案を示した。この参加者は「孤立集落では食料も少なく、夜は停電で真っ暗だ。移りたい人は多いのではないか」と語った。

 市の担当者は「1月の能登半島地震の時と比べて観光客が増え、金沢市など県南で避難者を受け入れる宿泊施設を探すのは難しい。稲刈りの時期でもあり、地元を離れたくないという人もいるはずだ」と話した。

 一方、石川県の観光地の一つ、加賀市の山中温泉旅館協同組合で理事長を務める三谷修司さんは「能登半島地震で県の観光業全体が停滞しているのが現状だ。一日も早い復興が大切で、今回も積極的に支援にかかわりたいと思っている」と被災者の受け入れに前向きだ。

 集団避難を巡っては、輪島市が県に協力を要請している。石川県七尾市和倉町にある和倉温泉の旅館などでつくる和倉温泉旅館協同組合の担当者は「県から、受け入れることができるかどうか打診があった。一般客の予約もあるが、ぜひ受け入れたいと考えている」と話した。

 三谷さんは「県から受け入れに関する連絡を受けていないが、要望があれば全力で協力する。素早い対応ができれば」と話した。【小坂春乃、国本ようこ、高木香奈、矢追健介】

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