2025.02.02
ものを大切にする心醸成 静岡・三島市が粗大ごみ販売でメルカリ1位

フリーマーケットサイト「メルカリShops」を使った粗大ごみ販売で、静岡県三島市が2024年1年間の販売数や販売額など4部門で全国の自治体で1位になった。豊岡武士市長は1月24日の定例記者会見で「職員の努力のおかげ。出品の直接的経済効果は高くないが、焼却炉や最終処分場の延命、市民のリユースやものを大切にする意識醸成になった」と意義を語った。【石川宏】
全国1位になった4部門は(1)販売数1069品(2位・岡山市1032品)(2)販売額146万円(2位・広島県三次市など87万9230円)(3)フォロワー数6510人(2位・兵庫県西宮市4563人)(4)商品の「いいね」獲得数2735いいね(2位・新潟県加茂市など2532いいね)。
三島市は23年9月に県内で初めて、まだ使えるにもかかわらず捨てられてしまった粗大ごみのメルカリへの出品を始めた。発送は行わず、購入者は市清掃センターで商品を引き取る。購入者の半数は三島市民だが、焼津市や静岡市、県外からの購入者も多いという。
よく売れるのは家具類と、おもちゃなど子供用品。使えそうなカラーボックスは1個500円で出品するが、ほとんど即売という。餅つき用の臼ときね(2万円)、ギター(3万円)なども売れた。逆にベビーカーは出品してもなかなか売れないという。廃棄物対策課で担当の山添豊さん(33)は「色や形で好みが分かれ、おじいちゃん、おばあちゃんから贈られることが多いため」と分析する。
販売額1位とはいえ、出品する粗大ごみの清掃や点検など手間を考慮すると赤字ではある。しかし、山添さんは「ごみ削減への意識向上や、メルカリへの出品が(県内の)裾野市、河津町など他市町にも広がった波及効果を総合的に考えるとプラス」と評価する。「将来的には、まだ使えるものを市民が粗大ごみとして出すことがなくなり、メルカリでの販売数、販売額ともゼロになることが理想」と話した。
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