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2025.02.04

海草を投げ豊かな瀬戸内に 愛媛の中学校で元服由来の「少年式」

 立春の3日、愛媛県内の多くの中学校で元服に由来する「少年式」があった。2年生が自身の方向性を考えて志を立てる日で、愛媛では60年以上続く行事。今治市立桜井中では2年生76人が、記念に海草の一種「アマモ」の種を瀬戸内海に投げ入れ、豊かな環境を守ることや漁場の保全を願った。

 アマモは水深1~3メートルの海底の砂地に根を張る種子植物。波が静かな海辺に生え、魚の餌場や隠れ場になることから「海のゆりかご」と呼ばれる。同校は地元の漁業者、住民らでつくる「桜井地区海を守る会」の協力で、2018年から毎年、種の投げ入れを続けている。

 生徒たちは、環境学習の一環で事前にアマモの役割について授業で学んだ。守る会のメンバーから「できるだけ遠くに」というアドバイスを受け、生徒たちは同市桜井の防波堤から種を収めた網目付き容器を次々に投げ込んだ。夏までに1メートルほどに育つという。青野比菜子さん(14)は「元気にたくさん育ち、魚が増えるとうれしい。私自身も、もっと自覚を持って過ごせるようになりたい」と誓った。【松倉展人】

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