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2025.02.13

専門家「井戸水飲んだ人は要検査」 大阪・熊取で高濃度PFAS

 大阪府熊取町内で、地下水から高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたことが、府などへの取材で明らかになった。事業所内にある井戸では最大で、暫定目標値(水1リットル当たり50ナノグラム)の1460倍に当たる1リットル当たり7万3000ナノグラムを検出した地点があった。

 国内では、過去にPFASを使用・製造していた工場付近から、高濃度のPFASが相次いで検出されている。専門家は高濃度の水を飲んだ人に対する検査の必要性を指摘する。

 PFASに詳しい京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)は、今回の大阪府熊取町での検出事例について「井戸水を直接飲んでいないのであれば、健康影響は少ないだろう」とした上で、「井戸水を飲んだ人に対しては自治体などが血液検査を実施したり、検査の費用を補助したりすることが求められる」と話す。

 原田准教授が注目するのは、大阪府が実施した付近の河川3地点の数値(1リットル当たり23~36ナノグラム)だ。「PFASの発生源が何もない場合は1桁以下。ここまで高いと、近くに発生源があることは明らかだ」と言う。

 大手空調メーカー「ダイキン工業」の工場がある大阪府摂津市の地下水からは2022年の調査で、1リットル当たり2万1000ナノグラムのPFASが検出された。原田准教授らが周辺住民ら1190人に実施した血液検査では、約3割で血中濃度が米国で健康リスクが高まるとされる値を超過していた。

 PFASは化学的に安定しており、分解されにくいため、いったん環境中に排出されると長く残存する。原田准教授は「水に徐々に溶け込んでいくため、周辺に広がっていく可能性もある。原因が特定されれば、事業者は地下水のくみ上げや遮水壁の設置などの対策を検討する必要がある」と語った。【菅沼舞】

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