2025.03.05
啓蟄、伊万里で梅の花が満開に ミツバチに授粉託し 佐賀

佐賀県内最大の梅産地である伊万里市で梅の花が満開となった。1~2月の寒波で例年より2~3週間遅いという。梅園の一部では、実の栽培に向けミツバチによる授粉も始まった。
西九州最大の規模を誇る「伊万里梅園藤ノ尾」(同市木須町、16ヘクタール)では5日朝、一部の営農組合員が佐賀市鍋島町の養蜂家、岩松武男さん(79)から西洋ミツバチの巣箱を次々と受け取った。1箱に約1万5000匹が入っているという。
岩松さんは、かつては花を求めて北海道まで移動していたが、現在は県内を中心に回っている。梅園の次は佐賀市のれんげ畑に巣箱を移すという。
「藤ノ尾」の営農組合組合長、原口源嗣(もとつぐ)さん(74)は1箱を受け取り、自分の畑(27アール)に置いた。
この日は地中の虫が地上に現れる日だという二十四節気の啓蟄(けいちつ)。だが、午前中は時折小雨が降って気温も低く、ミツバチの動きは鈍かった。
原口さんは「昨夏は酷暑、3月に満開を迎えるのも初めてで、一体どんな影響があるだろうか。とにかくミツバチには頑張ってもらいたい」と、巣箱を見やった。
JA伊万里の話では、受粉を自然に任せる農家も多いが、ミツバチを利用することで、より確実になるという。2024年は全国的に梅が不作で、JA伊万里管内でも収穫量は約106トンと、例年の半分ほどに落ち込んだ。【西脇真一】
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