2025.03.12
イカナゴ漁が播磨灘で解禁 記録的不漁で初値は? 過去最高を更新

瀬戸内海の春の味覚「くぎ煮」に使われるイカナゴのシンコ(稚魚)漁が12日、播磨灘で解禁された。2024年より1日遅い。近年の深刻な不漁を受け、大阪湾では2年連続の自主休漁になる。
兵庫県明石市の林崎漁港では午前10時ごろ、体長6センチほどのシンコが次々と水揚げされ、25キロ入りのかごが8個並んだ。初競りでは1かご20万円の値がつき、24年より3万円高く過去最高値を更新した。
シンコの漁獲量は温暖化や海の貧栄養化を背景に年々落ち込んでいる。県内では最盛期1・5万トンから3万トン台を記録したが、17年以降は2000トン弱に激減。24年は史上最低の25トンにとどまり、漁は解禁日に即日打ち切られた。近年の記録的な不漁が価格を押し上げている。
イカナゴはしょうゆと砂糖などで甘辛く煮た「くぎ煮」として沿岸部で親しまれている。シンコ漁は解禁とともに街のあちこちでくぎ煮の香ばしい匂いが立ちこめることから、春の風物詩として知られている。【入江直樹】
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