2025.05.03
世界の反DEIに危機感 フィンランド教育相「平等への努力を」

フィンランドのアドラークロイツ教育相が日本メディアのインタビューに応じた。トランプ米政権が進める反DEI(多様性・公平性・包摂性)の動きを念頭に、「今こそ構造的な不平等を是正する積極的な取り組みが必要だ」と強調した。
4月10日に首都ヘルシンキで取材に応じたアドラークロイツ氏は、フィンランドでも米国で見られるようなジェンダー平等への反動的な動きや、懐古主義的な主張が一部で見られると指摘。交流サイト(SNS)上で、子どもたちが女性蔑視を唱える過激思想を目にする機会も出ていると危機感を示した。
アドラークロイツ氏は「積極的なジェンダー平等への取り組みは人権を守る施策であるとともに、社会全体の競争力を高めることにもつながる。警戒を怠らず、ジェンダー平等に向けた努力を続けていかなければならない」と訴えた。
フィンランドは世界経済フォーラムが発表する「ジェンダーギャップ指数」(2024年)では第2位に入るなど、男女格差の少ない国として知られる。【ヘルシンキで古川幸奈】
関連記事