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2025.07.01

仙台うみの杜水族館の新ユニホームお披露目 廃漁網由来の生地使用

 仙台うみの杜(もり)水族館(仙台市宮城野区)は開館10周年を迎えた1日、新たなスタッフユニホームをお披露目した。一部に捨てられるはずだった漁網由来の生地が使われている。「豊かな暮らしと自然環境保全の両立へ」。そんな思いが込められている。

 3種類の新ユニホームは開館10周年を記念して作られた。ポロシャツとブルゾンのポケットに、廃漁具を買い取って繊維などに再生する会社「amu」(宮城県気仙沼市)製の生地が採用された。今回の生地は宮城県内で回収した漁網だけで作られている。

 気仙沼市の地域おこし協力隊員を経て起業した、同社の加藤広大CEO(最高経営責任者)によると、日本の海岸に漂着する海洋プラスチックごみのうち、漁具関連が約6割を占めるという。加藤さんは「漁具は資源になることを広げていきたい」といい、「水族館を訪れた際は『どうしてこの生地を採用したのか』という点にも思いを巡らせてほしい」と語った。

 仙台うみの杜水族館の増渕修館長は「我々が目指す『海と人、水と人との、新しいつながりをうみだす水族館』の象徴的な製品ができた」と感慨深げだった。【山中宏之】

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