2025.10.19
重伝建に選ばれた町並みで満開、フジバカマに込めた願い 奈良・橿原
奈良県橿原市今井町3の今井西環濠(かんごう)広場で市が育てている秋の七草のひとつ「フジバカマ(藤袴)」が満開になった。重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に町並みが選定された今井町の環境を美化するための取り組み。この花の蜜を好む美しいチョウ「アサギマダラ」が今秋、8年ぶりに飛来してくれることが市と今井町の住民の願いだ。
今井町は戦国時代、環濠に守られた商業都市として栄えた。広場は環濠の一部を市が復元保存した公園施設。幅11メートルの環濠がある水辺の環境を生かして、市は市民の協力でフジバカマを植栽している他、近畿大と一緒に絶滅危惧種の淡水魚・ニッポンバラタナゴの繁殖をしている。
フジバカマを植栽した最初の2017年度の生育は順調でアサギマダラの飛来も確認できた。
しかし18年度以降は植物にカビが生える「うどんこ病」に見舞われ、開花も不十分でアサギマダラも飛来しなかった。
そこで24年度、病害防止から直植えをプランター栽培に切り替え。対策が奏功して今秋の生育は順調で10月に満開となった。しかしアサギマダラ飛来は10月上旬には確認されなかった。花期は10月いっぱいだ。【皆木成実】
関連記事
