2025.11.22
ダウン症の俳優・吉田葵さん、初のソロダンス挑戦 現代舞踊イベント
ビム・ベンダース監督の映画「PERFECT DAYS」などに出演した俳優の吉田葵さん(18)が23日、さいたま市の「彩の国さいたま芸術劇場」で行われる現代舞踊フェスティバルに参加する。ダウン症の吉田さんは子どもの時にダンスを習っており、初めて本格的なソロの踊りに挑む。
ダウン症候群(標準型)は、21番の染色体が通常2本のところ3本あり、46本の染色体が47本になっている。当事者は一般的に筋肉の緊張度がやや低く、筋力が弱い傾向にある。体づくりのため吉田さんは9~15歳の時、東京都大田区の平多正於(まさお)舞踊研究所に通い、レッスンを受けていた。「初めは体が硬かったが、音楽やリズムに乗って踊ることで次第に柔軟性や表現力が出てきた」と同研究所の代表で舞踊家の平多実千子さんは言う。その後、演技に興味を示し、特別支援学校(高等部)に通いながらオーディションを受け、映画やテレビドラマなどに出演するようになった。
同フェスは新進の舞踊家らが全国各地から集まるイベントで、「多様な人々にモダンダンスの輪を広げたい」と今年は吉田さんにも声がかかった。当日披露する「つながる~僕のダンス~」は「自分がこの世に生まれてから、さまざまな人と出会った様子を身体で表現した作品」といい、吉田さんのソロと、同研究所の女性ダンサーら13人による群舞で構成する。5月から練習に励んできた吉田さんは「精いっぱい、踊ります」と話す。
「全国新進舞踊家による現代舞踊フェスティバル㏌さいたま」は午後5時半開演。詳細は現代舞踊協会のホームページ。【明珍美紀】
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