2026.01.27
昔の人は災害にどう備えていた? 武田信玄の治水装置で実験 奈良
四天王寺大(大阪)、奈良地方気象台と連携して「新しい防災教育」の構築を目指している奈良女子大付属小(奈良市百楽園1)で26日、戦国武将の武田信玄が考案したとされる治水装置「聖牛」の効用を調べる実験が行われた。校庭のビオトープにある水路に聖牛をすえてジョウロで水を流した。
聖牛は、木を三角すい状に組んだものを石を重しにして川の中に複数据える。水の勢いを緩めて堤防の決壊を防いだ。形が牛に似ていることからこう名付けられたという。日本三大急流に数えられる山梨県の富士川水系で継承され、現在も活用されている。
昔の人は災害にどう備えていたのか、5年月組の男子児童が調べ、聖牛について以前の授業で発表。その流れで実験することになった。実際は長さが数メートルあるが、長辺30センチ・短辺22センチのミニチュア3個をこの児童が家族に手伝ってもらって作った。
実験は、聖牛なし▽角を上流に向けて聖牛3個を置く▽辺を上流に向けて3個を置く(実際の設置法)――の3パターンで行った。水の流れが分かりやすいようにスーパーボール10個を一緒に流した。児童らはタブレット端末で動画撮影をしながら実験した。
実験では聖牛で水の勢いがそがれることが確認できた。教室に戻って動画で観察すると、辺を上流に向けた方が、角を上流に向けた時より効果があることが分かった。児童らは「角より辺の方が水を受ける範囲が広くなるから効果が大きいのだと思う」「信玄は効果的だと分かっていて、こう置いたのだと思う」と意見を述べた。
担任の長島雄介教諭は「効果があることが分かったけど、現在の川ではあまり見かけない。聖牛の代わりの何かがあるのかもしれない。それを調べてみよう」と次の課題を出した。【大川泰弘】
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