ソーシャルアクションラボ

2026.04.17

高体温のマグロやサメ、温暖化で体「過熱」 絶滅リスクより高く

 マグロやサメの一部は体温が高くて熱を逃がしにくく、地球温暖化で海水温が上がると体が「過熱」し、絶滅リスクがさらに高まる懸念があるとの分析を、アイルランド・ダブリン大や総合研究大学院大などの研究チームが16日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 魚類のほとんどは変温動物で、体温は水温と同じ。だが、マグロ類やホオジロザメの仲間は代謝熱を体内に保持し、体温が水温より5~10度ほど高い。体温が高いと筋肉の出力が上がり、同等のサイズの他の魚よりも速く、長い距離を回遊することができる。

 高い体温の維持には多くのエネルギーが必要と考えられてきたが、マグロのような大型魚の代謝の実態は定量的に解明されていなかった。

 そこでチームは、魚の体内に小さなセンサーを取り付け、体温の変化から代謝率を推計する手法を開発。既存の文献データも活用し、100種以上の魚の代謝率を比較した。

 その結果、マグロやホオジロザメなどの体温の高い魚は、一般的な変温の魚の約4倍のエネルギーを消費することが分かった。

 さらに、体が大きいほど、熱の放出よりも熱を生み出すスピードが勝り、熱が体外に逃げにくくなることも判明。海水温が上がると、冷たい海域に移動して熱を体外に逃がすなどしない限り、体温が上がり続けて「過熱」状態に陥る恐れがあるという。

 実際、クロマグロは水面に近い暖かい海域にとどまると、死亡率が高まるという別の研究報告もある。

 体温が高い大型魚は比較的冷たい海域に多く生息しているとされ、チームは「過熱」の問題が理由の一つになっていると分析する。

 チームの渡辺佑基・総合研究大学院大教授(海洋生物学)は「体温が高いマグロ類や一部のサメは海の食物連鎖の頂点に立つ重要種。だが、温暖化による悪影響を特に受けやすいことが科学的に示された」と話している。【岡田英】

関連記事