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2024.08.31

台風10号、熱帯低気圧になる見込み それでも線状降水帯の恐れ

 台風10号は31日、徳島県三好市辺りから東南東の紀伊半島付近の海上へと進んだ。台風の雨雲や、太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が関東甲信や東海地方に流れ込んだ影響により、三重県では一時、線状降水帯が発生するなど各地で大雨が降った。

 気象庁は、1日午前中にかけて関東甲信や東海でも線状降水帯が発生する恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、31日午後6時20分現在の24時間降水量は、三重県大紀(たいき)町268・5ミリ▽静岡県伊豆市213・5ミリ▽岐阜県揖斐川(いびがわ)町197ミリ▽愛知県新城(しんしろ)市157・5ミリ――だった。

 台風10号は午後9時には、和歌山県串本町の東南の海上を東へ時速15キロで進んでいる。勢力は中心気圧が996ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートル。1日午後9時までには熱帯低気圧に変わる見込みだ。

 熱帯低気圧に変わった後も、関東甲信や北陸、東海を中心に大気の状態が不安定になりそうだという。気象庁は、1日午後6時までの24時間降水量が多い所で▽東海400ミリ▽関東甲信300ミリ▽近畿200ミリ――と予想している。

 交通機関には31日も影響があった。JR各社によると、東海道新幹線は始発から三島―名古屋間で終日運休するなどした。

 1日も影響は続き、この区間では終日運休となる。東京―三島間も始発から運休するが、午前10時ごろにその後の運行について発表する。名古屋―新大阪間では、1時間当たり上下各2本程度の割合でこだまを折り返し運転する計画だ。

 山陽新幹線は31日と同じように、始発から新大阪―博多間の全線で本数を減らして運行する予定という。

 一方、宮崎市は31日、住宅被害が半壊相当で17棟、一部損壊相当846棟の計863棟に上っていると発表した。台風10号の接近に伴って28日に複数発生した竜巻とみられる突風による被害が大半だという。

 今回の台風による影響で、これまでに愛知県や福岡県などで6人が死亡。鹿児島県で1人が行方不明となっているほか、九州では112人が重軽傷を負った。【野原寛史、洪玟香、塩月由香】

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