2025.11.15
米国不参加のCOP30にホワイトハウス氏 「唯一の米政府代表」
米トランプ政権が一人の交渉団も派遣していない国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に14日、「唯一の米連邦政府代表」をうたって、民主党のシェルドン・ホワイトハウス上院議員が参加した。オンラインで記者会見したホワイトハウス氏は「トランプ大統領は米国社会を代表しているわけではない」と強調した。
米トランプ政権は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明。ブラジル北部ベレンで開かれているCOP30には、COPの歴史上初めて、米国から一人の交渉官も派遣されていない。
ホワイトハウス氏は会見で「トランプ氏は化石燃料産業とその支持者を代表している」と批判。「環境汚染を自由にしてきた我々のビジネスモデルは、経済的にも道徳的にも間違っていた。米国の最優先事項は、世界の潮流であるより安価なクリーンエネルギーへの転換だ」と強調した。
同氏は、温室効果ガス排出規制を不十分とみなす国からの輸入品に事実上の関税を課す欧州連合(EU)の制度「炭素国境調整措置(CBAM)」を「最後の救命ボート」と評価し、気候危機から安全を守るための道筋だと強調した。
また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏にも言及。ゲイツ氏が温室効果ガスの排出削減より異常気象などによる病気や貧困の防止に力を入れるべきだと発言していることについて「確かにより積極的な取り組みが求められる。だが、ゲイツ氏は間違った方向を向いている。彼の言っていることは化石燃料産業を利するだけだ」と非難した。
COP30には、米国内で脱炭素を積極的に推進する州政府や企業、投資家などで作る団体「アメリカ・イズ・オール・イン」も100人規模で参加している。【ベレン大野友嘉子】
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