2026.09.07
愛媛県内で初記録 淡水魚「ムギツク」を仁淀川水系で捕獲
流れの緩やかな河川、用水路などに生息するコイ目の淡水魚「ムギツク」が8月、愛媛県久万高原(くまこうげん)町内の仁淀川水系・直瀬川で捕獲された。ウェブサイト「南予生物フィールドノート」(南予生物研究会編)で発表され、標本に基づく愛媛県内初記録に。従来、四国では香川、徳島県内に生息し、国内にある本来の生息地域外にすむ「国内外来種」の可能性がある。
愛媛県水産研究センターの清水孝昭専門幹、昆虫や魚類観察の愛好家でつくる「えひめ虫魚(むしさかな)部」の牧野智光(ともみつ)さん、三野真弘さんの3人が発表した。
どんな魚なのか
ムギツクは体がやや細く、体側に1本の黒い帯が入り、ひれは黄色みを帯びる。国内では福井、岐阜、三重県以西の本州と四国北東部の香川、徳島県、九州北部に分布するとされてきた。
8月7日、高知県境から北約19キロにある同町七鳥(ななとり)の直瀬川で体長7・98センチの個体が投網にかかった。直瀬川は高知県の太平洋側へと流れる1級河川・仁淀川の愛媛県側の名・面河(おもご)川の支流。清水さんによると、ムギツクは仁淀川水系全体でも少なくとも1990年以前には記録が見られなかった。
数年前から稚魚や成魚を目視
91年以降は高知県側の仁淀川流域各所で記録されており、愛媛県側でも面河川と、その支流の久万川の合流地点周辺などで数年前から稚魚や成魚が目視されていたという。アユが放流される際の混入などによって愛媛県側にも分布が広がった可能性を清水さんは指摘する。
今回、アユの投網漁解禁後に水深約50センチの直瀬川でムギツクを捕獲した牧野さんらも、「2018年ごろに面河川で幼魚を見つけており、その後も繁殖は確実に進んでいると感じる」と話す。
愛媛県内の他の水系ではまだ見たことはないといい、「貴重な『知る機会』に出会える」と、今後も観察を続ける。【松倉展人】
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