ソーシャルアクションラボ

2023.04.17

研究者らがGX関連法案廃案を求め緊急アピール 4月末まで賛同募る

 原発の運転期間延長などを盛り込んだGX(グリーントランスフォーメーション)関連法案について、研究者や弁護士の有志が17日、廃案を求める緊急アピールを出した。賛同する研究者や専門家を4月末まで募る。

 呼びかけ人は大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)や鈴木達治郎・長崎大教授(原子力政策)、海渡雄一弁護士(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)ら20人。専門分野は、環境学や法学、物理学、工学、社会学など多岐にわたる。

 緊急アピールでは、今国会で審議が進む関連法案を「気候変動対策とは名ばかりで、実態は原子力産業や温室効果ガス排出事業者を保護する内容だ」と批判。法案のうち「GX脱炭素電源法案」は、五つの法律をまとめて改正する「束ね法案」であることを問題視し、「国民の理解を困難にし、国会での丁寧な審議を妨げている」と指摘している。

 また、束ね法案に含まれる原子力基本法改正案について「原子力産業に対して政策的な保護を与え、原子力利用を永続化する内容になった」と批判。原発の運転期間の規定を原子炉等規制法から電気事業法に移した点についても「東京電力福島第1原発事故の原因となった(規制する側がされる側に取り込まれる)『規制の虜(とりこ)』を新たに作り出す」と主張した。

 大島教授は「環境政策や環境経済を学んできた者として、許せる内容ではない」と訴えた。

 賛同者は事務局の原子力市民委員会のホームページの専用フォームなどで受け付けている。【吉田卓矢】

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