2023.04.20
「ゲイと言うな法」高校までに規制拡大 米フロリダ州 政権は批判
米南部フロリダ州の教育委員会は19日、公立学校で性的少数者(LGBTQなど)について教えることを規制する州法に関して、規制対象を従来の「小学3年まで」から「高校まで」に拡大することを承認した。米メディアが報じた。2024年の大統領選で共和党の有力候補と目されるデサンティス知事肝煎りの政策だが、民主党のバイデン政権は「完全に間違っている」と批判している。
この州法は、ゲイ(同性愛者)など性的少数者について公の場で話すことを禁じているとして、反対派からは「Don’t Say Gay(ゲイと言うな)法」と呼ばれている。保守派は「親の意見を公教育に反映すべきだ」との考えから「教育における親の権利法」と名付けている。
デサンティス氏や州議会多数派の共和党の主導で22年7月に施行され、性的指向や性自認に関して教えることを禁止した。従来の対象学齢は「幼稚園から(小学)3年まで」だったが、州当局の提案に基づき、12年生(日本の高校3年に相当)まで拡大されることになった。4~12年生に関して「州の教育基準で必要と明示された場合や生殖に関する保健の授業」は例外とされたが、授業に出席するかどうかは保護者が選択する仕組みとなっている。
保守派は「学校教育がリベラル化し過ぎている」と訴え、性的少数者に関する教育の規制を推進している。19日の承認に先立つ州教委の公聴会では「自分のアイデンティティーについて話すのを検閲するものだ」「子供たちが性自認や性的指向に関して、信頼する教師や親から答えを得られなければ、インターネットなど不確かな情報源から答えを見つけようとするだろう」といった反対意見も出たという。【ワシントン秋山信一】
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