2024.03.19
心を一つにしたいから 「君が代」の手話、統一を 選手らが陳情
聴覚障害を持つ神奈川県内出身のスポーツ選手らが18日、県議会厚生常任委員会に出席し、県議会が国に対し「君が代」斉唱の手話表現を統一するよう求めることを陳情した。現状は君が代の手話表現に決まりがないため、国際大会などでは所属する団体やチームによって表現が異なっているという。
委員会に出席したのは、県聴覚障害者連盟の河原雅浩理事長(63)と、当事者として葉山町出身で女子デフバレーボール選手の中田美緒さん(23)。中田さんは聴覚障害者のスポーツ世界大会「デフリンピック」トルコ大会(2017年)の金メダリストだ。トルコ大会の優勝時の表彰式では、チームで独自に決めた手話表現で国歌斉唱に臨んだという。
中田さんは委員会で手話通訳を介し、「統一された手話により、聞こえる人と聞こえない人が同じ気持ちで(国歌を)表現できることが一番大事だ」と訴えた。陳情後にも「決まった手話表現があれば、他のスポーツでも同じ日本代表として団結感を感じられる」と述べた。
河原理事長は「25年には東京都などでデフリンピックが開かれる。そこで選手が日本代表として国歌をきちんと手話言語で表現できるように、表現方法の策定をお願いしたい」とした。【田中綾乃】
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