ソーシャルアクションラボ

2018.06.08

【編集部通信】見えてきた、いじめ解決の糸口

 ソーシャルアクションラボを始めて2週間。さまざまな方に登場いただきましたが、複数の方が同じようなことを指摘していました。いじめが起きる温床の一つとして、1年間ずっと同じクラスで同じ仲間と顔をつきあわせていることがあるようです。社会学者の内藤朝雄さんはいじめが起きやすくエスカレートしやすい環境として「所属する人の流動性が低く、人間関係が入れ替えにくい。逃げることができない」などをあげました。芥川賞作家の諏訪哲史さんは自らのいじめられた体験をもとに「中学2年の夏休み明け、2学期にクラス替えを」と具体的に提案しました。一方、同じクラスで1年間共に時間を過ごすことで友人の作り方を学んだり、人間関係を深めたりできるという考え方もあるでしょう。でも、いじめの深刻さはいまやその長所をしのぐのかもしれません。クラス替えの頻度を増やす。もしこの方向に賛同する方が多ければ、それを実現するために何か行動できないかと考えました。
 また、尾木ママこと尾木直樹・法政大特任教授と「ストップいじめ!ナビ」代表理事の荻上チキさんが、いじめの温床を作るものとして行きすぎた生活指導、最近の言葉でいうと「ブラック校則」に言及しました。教育現場の自由な空気を奪い、子どもにストレスを与えるのです。ブラック校則には何のためか、と首をかしげるものがあります。学校と親との話し合いで変えていくことができるのではないでしょうか。「ストップ ブラック校則」と社会に訴えることもできるでしょう。[編集長・山田道子]