2024.04.06
学生が「トウキョウサンショウウオ米」普及へCF 減農薬の稲作実践
絶滅危惧種「トウキョウサンショウウオ」が生息できる環境を目指し、優しい稲作を普及させようと、千葉県立農業大学校(千葉県東金市)の学生らで作る任意団体「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」のメンバーが、クラウドファンディング(CF)で活動資金の支援を呼びかけている。今春の田植えに向け、30日までに70万円を集めるのが目標だ。
トウキョウサンショウウオは、水田周辺に生息する日本固有の両生類で体長8~10センチ。生育環境を守るには減農薬栽培が不可欠。稲に被害を与える病害虫駆除のため、新たな方法が必要だった。
同校研究科2年で病害虫専攻教室の岩澤裕来(ゆら)さん(21)らは、ジャンボタニシを捕殺する「ジャンタニトラップ」を開発し、2022年度から米作りに活用した。農家や卒業生、専門家などと米栽培研究会を発足し、岩澤さんが会長に就任。「トウキョウサンショウウオ米」と名付けて同校の学園祭で試験販売した。
CFは、試験販売を応援した船橋市の米穀店「藤井商店」を窓口に運営サイト「キャンプファイヤー」で実施。トウキョウサンショウウオ米の知名度を上げ、消費者の理解や農家の所得向上を促す仕組み作りも狙う。資金はトラップや小動物侵入防止用の電気柵の設置などに充てる。返礼品は、5000円でトウキョウサンショウウオ米5キロなど▽3000円でマスコットキャラクター「とうまいちゃん」のポストカードなど。
同店の藤井秀明さん(74)は「自然環境を守ると同時に農家を守りたい。たくさんの方々の賛同を得たい」と語り、岩澤さんは「トウキョウサンショウウオばかりではなく貴重な生き物を守る機運を盛り上げ、地域の活性化にも役立ちたい」と話す。【高橋秀郎】
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